ベロマーク。これほど明確なアンチテーゼとレジスタンスを示したロゴはそうそう見られない。
あまりにも有名なローリングストーンズのロゴ。
相手(既成概念)に対し、拒絶の態度を示しながら、自分は舌を出す。
舌を出す(内臓を見せる)ことは、文字通り内面をさらけ出すこと。オープンマインド。
この絶対的な自信と覚悟。
その原始的なパワーに、ファンは無意識的にセラピストとしての役割を期待する。
ステージを所狭しと走り回る70歳のイカレたジジイ。
健全な啓蒙活動ではもはや救いようのないまでに行き詰った無力なファンは、この目の前の奇跡にすがる。
そして、イギリスの心理療法家ケーネス・ランバートの言う「傷ついた癒し手」の治療者と患者の関係が成立する。
「病者は病(デーモン)を健康な人にうつす。そして後者の力がデーモンに打ち勝つ。」
ライブが始まり、時間が経つにつれ、加速度的に意識変性が起こって行く。
相手の作り上げた領域(舞台)で狂喜し、感動し、融合し、そうして深層意識にまで退行し、ステージ上の相手と自分の境界があいまいになる。
このイカレジジイに受容されることで浄化され、昇華する。
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3月6日、かくして私は担架で運ばれた。イェーーイ♪
本日の気分は「ガンメタルグレー」。