昔、伊藤みどりの頃はフィギュアスケートが好きでよく見ていた。
みどりのジャンプは別格で、自分としては表現力は気にせず、あのジャンプを見られるだけでよかった。
その後、ボナリー、キャンデローロ、ケリガン、ハーディング、…少し飛んでリピンスキー、クワンあたりまではなんとなく見ていたのだけど、最近はすっかり見なくなっていた(と毎年書いているような気がする)。
ところが、今年TVをつけたりチャンネルを回したりしていると、偶然浅田真央が演技をする直前ということが何度もあった。
ということで今回のNHK杯(でしたっけ?)を見たのだけど、浅田真央にはホントに驚かされた。
3年前に出てきた時は幼い印象しかなく、特別興味はなかったが、今回の演技を見た印象を述べてみると。
見たこともないポーズは他の人にも共通するものなのだろうか? よくわからないが、何年ぶりかで見た者には斬新なポーズ、動きに加え、手先まで神経が行き届き、流れるようなというか舞うようなというか、なんとも表現の仕方に困る手(腕)の動き。
ちょっとニュースで耳にした話によると、体幹を矯正しているだかなんだか、そんなことを言っていたが、安定感のある演技はそのせいなのだろうか。
ダンス向きの3拍子の曲に乗り、最後まで動きが止まらずに目が離せなかった。
解説の人が、「男子の要素を持ったプログラム」と言っていたが、そういえばそうだ! とハッとした。
昔見ていた男子の選手がこんな感じだったと思う。
3年でこんなに変わるんだな~すごいな~~。と感心&感動しきりだった。
あと思ったのが、フリースタイルの時の黒の衣装が非常によく似合っていたこと。
浅田真央は、普段はそれほど黒が似合うとは思えない。どちらかというと、ショートプログラムの時の藤色(~ライトブルー)が似合うのではないかと思う。
それなのに、あんなによく似合っていたのは演技が素晴らしかったからに他ならない。
たまにこういう、色を自分のものにしてしまうということはあるのだけど、18歳で、しかも一瞬であれは凄いとしか言いようがない。
色彩は本来、人や物を引き立てるツールであって、色彩だけでは何の意味もないのだが、あの黒は単なるツールではなく、まるで浅田真央とコンビを組んでいる生き物のように見えた。
3年前に出てきた当初から「ミラクルマオ」と言われていたが、やっと私にもわかったのであった。
ライトブルー。