先日、お家騒動の件で横浜元町のキタムラについて触れたが、重大な表記ミスをしていた。
K2の社長はキタムラから飛び出した次男ではなく、長男の方だったのだ。
それに関連して、ついでに東京高裁で行われたキタムラの商標権の判例全文を読んだ。
つまりこういうことだ。
キタムラ/代表取締役:創業者の次男。Kマークの専有権を保有
K2/代表取締役:創業者の長男を経て現在その妻。キタムラからKマークの使用権の許諾を得ているK2がキタムラに無断でKマークを商標登録し、その事実を秘匿した。
キタムラは、営業譲渡契約に違反しているとして、K2にKマークの使用中止を提訴した。
<判決>キタムラの請求を棄却
それに対して、キタムラは不服として控訴したのが、今回の東京高裁。
ここでも結局、キタムラの主張は認められなかった。
簡単に言うと、裁判所の判断は、
K2がKマークの登録出願をしたことは重大な契約違反と認めるが、
K2がKマークの使用を営業の不可欠の前提として設立された会社であることは契約書の内容から見ても明らかであり、
K2がKマークを剥奪されれば存続が不可能になるほどの打撃を受ける。
だからよく話し合わずにそんなことしちゃダメよ、キタムラはそんなに行き詰まっているわけでもないでしょ。
ということらしい。
ただ、K2がサンリオにKマークの使用を許諾した、という主張もあったがこれは
キタムラの誤解で、
K2がサンリオにロイヤリティを支払ってキャラクターの使用許諾を得ているとのこと。
まぁでも、全て通して読むと、やったもの勝ちというか、疑わしきは罰せずというか、
そんな印象を受ける。
キタムラの主張が首尾一貫しているのに対し、K2の主張は、長々と言っている割には、無断で商標権を取得したことについては一言も触れていない。
K2は話し合いをするのに「時間的余裕を与えられなかった」と言っているが、使わせてもらっている方が全面的に都合をつけて出向くのが普通じゃないのかなぁ~?
そこまでしてKマークにこだわる理由はなんでしょう。
そもそも、どうしてK2が次男の会社だと思っていたかというと。
昔、K2とは何だか知らなかった時、店員さんに面と向かって「この『2』ってなんですか?」と聞いてしまい、その時の説明で、K2はキタムラの弟が立ち上げた会社ということだったんだから~。
とあるK2の店舗では店員が「どうぞご勝手にご覧ください」と連呼していたという話もあるし、そういうのを総合すると会社の体質がなんとなくわかるというか。
信用が大事な大手デパートのテナントに入っているのは必ずキタムラで、K2は見たことないというのも納得…。
それにしても、裁判の文書ってどうしてこう読みづらいんでしょう。箇条書きとか表にするとかしてくれないかな~(爆)
判例に関しては、デザインや広告の見地から見ると「東京高裁ってやさしいですね」と思ってしまう。
どんな事情があっても、盗作や無断使用をしたら、その後一生信用されないんですけど…。
ただ、自分がこういうことに厳しい仕事だったから判官びいきが入っていると、自分でも思うところはあるが…。
もし興味があったら、判例全文を読んでみてください。
「東京高裁 判例全文 キタムラ」で検索できます。
別の見方の人がいたら感想を聞きたいな~。
白旗。