偶然、どこかのチャンネルで「北斗の拳」の外伝「ラオウ伝」というのを見つけて、パートナーと観た。
先日パートナーがこの特集本を買ってきたのでザッと読んでいたのだけど、第一印象は「気持ち悪い」だった。
今時の絵なのだろうけど原作が好きな者としてはあの絵は耐え難い。
さて映像ではどうなっているのかと、観てみなければわからないのでとにかく観ることにした。
ところが。
30分番組だったのだけど、始まった直後から最後まで二人してダメ出ししか出なかった。
曰く
「ラオウを呼び捨てにするな」
「ラオウにタメ口きくな」
「ラオウに向かって期日を延ばしてくれなどというアホな陳情をするな」
「その部下に呼ばれて現場までいちいち出て行くな」
「ラオウが一言言うたびに意見するな」
「ラオウが余計な説明をするな、おしゃべり!」
「そんなの腕一振りで全部なぎたおせ」
「ラオウは神にケンカを売った男。いち戦国武将ではない」
場面が変わるごとに確実にラオウのスケールが小さくなっていく。
世界同時不況よりよっぽど事件ですよ。
ラオウのスケールが小さくなるのに比例してこちらの不満は大きくなり、そのうちに私も普段は気をつけている欠点爆発です。
その欠点とは、ものの言い方がきつすぎるというものなのだけど、それもパートナーに指摘されたからで自分ではまだその加減がよくわからないんですよね。いい年して恥ずかしいけど。
曰く
「知恵遅れのサルが発狂したような顔」
「(ラオウのかすれた声が)場末の酒場で声をつぶしたアル中みたい」
……
多分、これ以上書かない方がいいでしょう。
おそらくスケールが小さくなったのはご時世というか、合理的な理由がなければ殺してはいけないとか、その手の規制が厳しくなったのではないかと思った。
「北斗の拳」の物語の全体像を見れば、残虐な場面もむしろ原作通りの方が合理的なのに、一場面を切り取って槍玉にあげ、むやみに規制をかけるのはやめてほしいものだ。
物語の全体像がくずれてしまうんですよ。
ちなみに、パートナーは私に発言を自主規制してほしいそうだ。
ブロンズ。