そこに出てきたのが宅八郎。
「オタクの神様」みたいな扱いで芸能界に出てきたのだが、彼は宮崎某のプロフィールを見て、アニメ好きという他にも誕生日が近いとか、いろいろな面で自分と似ていて他人事とは思えなかった。
世間で「オタク」が誤解される風潮が出てきたので、正しいオタクの姿を伝えたくてこのような活動(芸能活動)を始めた、とは営業文句だとは思うが。
ただ、初めのうちは彼のキャラクターが珍しがられ、TVにもよく出ていたが、もともとの粘着質な性格が災いしたのと次第に飽きられていったのとで自然と見なくなった。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。その後、新宿のとあるクラブで曲を選ぶ仕事に就いた(あのレコードをかけて手で独特な音を出す人)。
そのクラブのテーマで、かける曲が全てアニメソングだった。
その後だいぶ経ってから、女性ドライバーと車のトラブルを起こし(宅八郎の方が逆ギレした)、小さいが傷害事件かなにかになったことを新聞で読んだ。
それ以来見ていない。
そう考えると「オタク」というのは、発生してからまだ二十数年にも関わらず、意外と密度の濃い歴史を作ってきたと言えなくもない。
年月の経過と共に、アニメだけでなく他のジャンルが派生していくのも自然の流れなのだろう。
最近はようやく「オタク」という言葉も以前の悪い印象から脱却しつつあるが、まだ過渡期であり油断はできない。
今後さらに気を引き締めて、健全な定義を作っていくことが重要と思われる。
狐色。