最近やっと表にきちんとした問題として出てきたかという問題。
「名ばかり管理職」と呼ばれているんでしたっけ?
個人的な感覚で言うと遅すぎですよね。
今のところ、表に出てきているのは幸運にも良い方向へ行っている人だが、昔はそれがきちんとした問題として扱ってもらえるとは発想できないほど問題だった。
今まで何度か転職をしているけど、社内の人間で過労死した人は1人や2人ではない。
そこまで行かなくても、職場や自分の周囲にも危ない人はたくさんいた。
身体を壊して休職・退職した人や、精神を蝕まれている人。
入院して「絶対安静」と言われているのに病室に仕事を持ち込んでやらなければならない人。
「休む」とは言えないのであとは会社で倒れるしかないという友人のダンナさん。
本当に職場で倒れた友人。
一ヵ月監禁状態で家に帰れなかったという昔の同僚。
安定剤を飲みながら仕事をしている人。
電車の中で意識を失う人。
這って出社してきたけどタイムカードを押した瞬間にグロッキーになり結局帰る人。
挙げたらキリがない。
それで思い出すのが、新卒で入った職場にいた人で、いつも昼食時に見かけた人。
某大手電気メーカーだったのだが、昼食は定食などを食べられるメインの食堂、喫茶コーナー、麺類コーナーがあった。
私はいつも同僚2人と喫茶コーナーで食べていたのだが、その人はその喫茶コーナーでいつも一人で食べていた。
40代くらいに見えたが、もしかしたらもっと若かったのかもしれない。
失礼ながら見るからに「生ける屍」という表現がぴったりな、周囲のことに何も反応を示さない人だった。
いつも同じテーブルの同じ席に座り、いつも同じメニューを食べ、アイスコーヒーをストローを使わずに飲むのはいいとして、ホットのコーヒーをストローを使って飲んだりしていた。
同僚がどこかから聞いてきたのだが、その人はプログラムを作っていた人ということだった。
そしてその仕事は神経だか何だかへの負担が大きいので、2年を超えて同じことをやらせてはいけないのだが、会社側はその期限を超えてやらせていたのだそうだ。
そして、言い方は悪いが人間として壊れてしまい、家族に抗議されて、もう何もやらずに引き続き職場に在籍だけしているのだということだった。
その事業場は4000~5000人ほどいる大きいところだったが、全く関係のない我々の部署の人間にも伝わるほどの事件だったのだろう。
もちろんそれは、プログラマーという専門性の高い特殊な職種という事情はある。
だが社会人になった初期の頃にそんな場面に出会ってしまったため、「無理をすると自分でも想像できない事態になってしまうかも」と思ったことは事実である。
だから、周囲の事情を聞くにつけ、常々「無理はしないでほしい」と思う。
結局、自分の体調は自分で管理するしかない。
そして、無理が高じてしまうと逆に自分では気づきにくくなるが、それは既に感覚が麻痺しているのかもしれない。
身近な人が気づいてあげられればいいのだが。
藤色。