多分、今までに書いた記憶はないが、イラストを描く時にガムを噛むことが多い。
いつ頃からか覚えていないくらい以前からそうだったが、最近では似顔絵が多いのでそれを例にとってみると。
まず、誰を描くかが決まると、そこからまたいろいろと考えることが出てくる。
表情だとか、向き・角度とか、引くか寄るか、等、頭の中のイメージに近い資料を探す時もあるし、逆に誰か決まっていない状態で写真などを見て「コレ描きたい」と思う時もある。
その後、その人物についての情報を集めて、自分の中での人物像を確定する。
そして、それを表現するのに、画材(色鉛筆か水彩絵の具かアクリルか、水彩用画用紙か、それなら目の粗さはどれくらいか、それともケント紙か…等)、色合い、タッチをイメージする。
それから実際に描きながら軌道修正が必要な場合は戻る、という感じで描いている。
ただし、体系的に美術の勉強をしたことはないので、このやり方でいいのかどうかはわからないが。
そして、その各所で、いろいろと考え続けているとガムを噛みたくなってくるのです。
それで思わぬアイディアが浮かんだり(特に昔、自分でテーマを決めて描いていた時はありがたかった)頭がスッキリすることが多いので、TVかなにかで「咀嚼は脳にいい」と聞いた時は妙に納得した。
ところで、テーマが決まらない、アイディアが湧いてこない時って、好きでやっていることとはいえ非常に苦痛で発狂しそうになるんですよ。
例えて言うと、頭のずっと奥の方に海賊ものによく出てくるカギつきの宝箱があって、それがどうしても開かないような気分なんです。
でもどうしても時間内に開けなければ自分の身が危ない。
いろんな道具を使ったり箱を倒したり力づくで開けようとしてもどうにもならず、後ろからは敵(期日)が迫ってきて半泣きになっても絶対に自分で開けなければ先に進めない、という感じでしょうか。
それが私の能力の限界なのだろうけど。
そういう時は、こんなこと言ってはいけないけど、苦し紛れにイケナイ薬が欲しいと思ってしまうこともある。
アイディアが湧いてくるなら悪魔に魂を売り渡してもいいと思ってしまう瞬間もあるんです、実際。
ただ、私は意志が弱いので、一度ハマッたら絶対に抜け出せないだろうということがわかっているし、初めから別世界のものという認識があるのでイケナイ薬には縁がないが。
だから、自分のようなタダの趣味で描いている者でもそうなのだから、プロのアーティストがその手の薬に手を出したという話を聞くと、社会的な判断は別として気持ちはよくわかる、なんてエラそうだけど。
瑠璃。