パートナーが言うには、私の冗談は冗談に聞こえないらしくて困るらしい。
でも、普通「ライオンを飼いたい」なんて本気で言いますかねぇ…。
冗談と言えば20代前半の頃。
出先で一人でレストランへ入り(確かロシア料理のレストランだったと思う)、順番待ちで名前を告げる時。
この頃は一人暮らしを始めた頃でセキュリティに異常に気を使っていて、外でも必要がなければ本名を名乗らなかった。
レストランやカラオケでも「佐藤です」だの「田中です」だのよくある名前を使っていたのだが、この時はちょっとしたイタズラ心を起こしてしまった。
名前を聞かれて、
「徳川です」
……。
こちらはどうせ偽名だと思われていると思っていたのだが、急に態度が変わり、他に待っている人がいるのに椅子を用意してくれて「こちらでお待ちください。」…。
そして五分もたたないうちに先に待っていた人を押しのけて通してくれて、あわてて作ったっぽいテーブルに案内してくれた。
隣には明らかに引き離したテーブルの片割れと思われるテーブルにカップルが…。
自分のやったことを棚に上げてちょっともういいよと思ったが、今さら言うわけにはいかず、そのまま押し通した。
初めにウソをつくのは簡単だけど、それを持続するのは難しいと学習した事件だった。
ワインレッド。