先日も書いた通り、ロシアの伝説的名バレリーナ。
マイヤのプロフィールから始まって、バレエ学校時代から年代順に追っていき、代表作の映像、インタビュー等で構成されていた。
一番見たかった「瀕死の白鳥」をついに見られた。
ナゼかマイヤのこの演目、滅多にお目にかかれない。
「瀕死の白鳥」は、サン・サーンスの「白鳥」という曲に振り付けをつけたもので、2分ほどだが非常にロマンティックで、悲しげで、情感溢れる曲。
白鳥がもがきながら息絶える様子をバレリーナが踊るのだが、その2分の間に凝縮された生と死のドラマに引き込まれる。
マイヤはこの演目を70歳を過ぎても踊り続けたそうだ。
マイヤが生まれたのは1925年。
ロシアでは1917年に革命が起こり帝政崩壊、1922年にソビエトが樹立している。
ユダヤ系だったこともあり、混乱の幼少期だっただろう。両親は処刑されたそうだ。
幸運なことに、ソビエトではバレリーナの地位は非常に高かった。
天性の才能もあっただろうが、生きるために踊り続けなければならなかったのではなかったか?
そういえばマイヤの自伝のタイトルは「闘う白鳥」。
歳を経れば経るほど「瀕死の白鳥」に磨きがかかるのもうなずけるというものだが、マイヤの苦闘の人生をそこから読み取ることもできないほど、ただ純粋で高潔で美しい。
白。