アントニオ猪木著「猪木語録」を読んだ。
昨年、岡本太郎語録を読んだ時にも思ったが、この手のものは読みやすいし親近感を感じるしおもしろい。
「今日の叫び」として、1月1日から12月31日まで毎日一語ずつ、解説つきで構成されていた。
途中にはインタビュー、巻末には年表。
やはり最初に見てみるのは自分の誕生日、記念日などですね。
そこの言葉がハマると妙に嬉しい。
それからパートナーや友人・知人の誕生日、ボン・ジョヴィや大友康平の誕生日、事件のあった日などを見てみる。
それにしても、編集らしき人の解説、よく365語全てについて書けますね。
言葉自体は今までの自伝本に書いてあったもの、インタビューで語ったもの、なにげなく言ったものなどいろいろあるのだけど、猪木さんのことをよく知っている人なんだろうな~という印象を受けた。
初めて読んだ猪木さんの自伝本は、中学3年の時の「君よ苦しめ、そして生きよ」だった。
それが、当時の自分には衝撃であり、読む前と読んだあとでは世界がまるで違って見えたくらいだった。
どこかで書いたが、当時自分が内包していた狂気の芽を、アントニオ猪木の圧倒的な狂気が救ってくれたのだった。
それまではただのスターだったアントニオ猪木が、この時から私にとっては恩人になった。
俗に言うアントニオ猪木の信者という人には、健全な啓蒙活動では救いようのない人や、アクが強すぎて手に負えない人が少なくない。
そういう人たち、そう、当時の私のような人達は、アントニオ猪木の圧倒的な狂気によってしか救われなかったんですよ。
だから、猪木さんの言動を客観的に見られるようになった今でも、アントニオ猪木という存在は自分の根幹を成す一部になっていて、なにがあっても揺るがないものになっている。
よく私は、「無神論者だが自分の中のサムシング・グレートは信じている」と言うが、もしかしたらそのサムシング・グレートとはアントニオ猪木という存在を指しているだけで、宗教を持っている人が神に対するのと同じことを言っているのかもしれない。
「猪木信者」とはよく言ったもので、従兄の家がプロテスタントなのだが、宗教が自身の根幹となっているようなところがソックリだと思った。
なににしても、自分の原点となった「君よ苦しめ、そして生きよ」は現在は廃刊になっているそうだが、この本に載っていた言葉も今回の語録にいくつか書いてあって懐かしい。
そして、プロレスをあまり観ない、猪木さんに対する印象はスキャンダルや借金という人にはにわかには信じがたいだろうが、無色透明のような、突き抜けた純粋さもある。
いいものも悪いものも全て飲み込んでしまう懐の大きさは老子に通ずるところもあり、発想の大きさは言わずもがな。
いろんな意味で、やはり実体験は最強の武器になると再認識した。
もし興味があったら立ち読みしてみてください。
あっ! いいこと思いついた。
興味があったら、見てみたい日付を教えてください。その日の言葉を伝道させていただきます♪
赤。