本日の薔薇の色
マリー・アントニオの日記へようこそ…今日の気分を、好きな薔薇の花の色にたとえて日記に綴っています。現実には存在しない色もありますがそこはご愛嬌?
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HN:
マリー・アントニオ
HP:
ROSE KHAOS~薔薇色の混沌~
性別:
非公開
自己紹介:
生年月日:1967年
★詳しくは
コチラ
★日常、趣味、その他について感じたことをとりとめもなく綴っています。
★上記HPも興味があったら是非見てください。イラスト、ショートショート、エッセイ等を載せています。
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映画「あしたのジョー」 その4
2011/02/22 [Tue]
<力石徹役・伊勢谷友介>
※ネタバレ注意
衝撃が走った、対ジョー戦の際の計量時のボディ。
写真でも見たり、体脂肪率3パーセントと聞いたりしていたが、百聞は一見にしかず。
人間の体が生きたまま、こんなことになるものかと、今までの世界の常識が崩れるような錯覚に陥った。
ガウンを脱ぎ、ゆっくりと計量器の方に振り返る。
そして、おそらく筋力の衰えからやや猫背になり、腕をダランと下げてユラユラと計量器に歩いていく。
幽霊そのものの姿に、スクリーンの中のみならず、観客席の空気も凍りつくのがわかる。
このシーンが異常な世界に引き込まれる分岐点であり、クライマックスの力石の死へと続く。
力石の減量については、原作連載終了後およそ10年経ってから作画のちばてつやが著書で明かしたことで広く知られている。
原作者の高森朝雄(梶原一騎)からもらった原稿の描写では、初めてジョーと出会うシーンの力石は非常にスケールの大きな存在に感じられた。
それでバンタム級をはるかに超える大きな姿に描いてしまったことが、後の減量につながり、ドラマを盛り上げた。
したがって、力石役は身体も人としてもジョーよりはるかに大きく、しかも肉体は極限まで絞らなければならない。これは物語に絶対に外せない要素である。
又、これも広く知られているが、連載当時、力石の死が掲載された号の発売翌日、編集部に山のような弔電が届いたり、実際に力石の葬儀も行われたそうだ。
この当時からのファンは、力石の扱いに対して非常に厳しい眼を向けているに違いない。
積み上げられた時間と共に強固になる不可侵性。
力石役は、この伝説というプレッシャーも背負わなければならない。
ここまでの過酷な条件が課せられる力石役は、やはり本職の俳優でなければ務まらないだろう。
この作品の企画を知った当初、「力石役の人は気の毒だなぁ」と思ったものだ。
どんなモチベーション、メンタリティを以ってすれば、この役を引き受ける心境になれるのだろうか。今もって不思議でならない。
ジョーにとって力石との試合は、著書「あしたのジョー心理学概論」によると、一歩大人になる為のイニシエーションだった。
思春期の少年がぶち当たる父親殺しの壁。
実質的な父親がいないジョーには、力石が精神的な父親の役割をしている。
では、力石にとってジョーはなんだったのか。
収容所内で、まだ「坊や」の印象の残るジョー、前後見境なく暴れまわるジョーに対し、力石が「この世界の大人」として制裁したのが最初の出会いだった。
力石に反撃していったジョーのパンチは、段平に習っていたジャブだけが当たった。
当たるはずのない素人のジャブが当たり、さては心得があるのかと思いきや、アッパーは素人並みだった。
この矛盾する意外性が心の奥にずっと残っていたのかもしれない。
その意味では、力石はジョーに恋していたともいえる(もちろん象徴的な意味で)。
娑婆に出てからも、ジョーを叱咤激励したり、静かに諭す場面がある。
それは、初対面で見せたような強権的な大人の行動ではなく、相手の身を心配する恋人の心境のように見える。
時に挑発的な笑顔を見せるが、それは恋する相手に対するような、真っ直ぐな燃えるような眼である。
その相手に身を削り全力を出し尽くして満足だっただろう。
同時に、ジョーのイニシエーションに散っていく姿は、精神的な父親の役割を見事に果たしたともいえる。
力石の終始一貫した余裕や、ややキザな性格が、伊勢谷の顔の向きや表情、眼の動きで余すところなく表現される。
何にも増して、力石の一番の特徴であるストイックさが、抑えた演技から底光りするようににじみ出ている。
減量、厳しいファンの眼という難題を克服し、力石をこれほどまでに魅力的な人物として成功させた伊勢谷の、表現者としての実力、姿勢は最大級の賛辞に値する。
(つづく)
ウルトラマリン。
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23:40:19
あしたのジョー
Comment[2]
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凄い
あっちゃん
写真だけでも凄いと思いましたが、実際の映画はもっともっと凄いんですね
それにしても、マリーさんのあしたのジョーへの愛情の深さがひしひしと伝わってきました
そこまで、漫画・アニメに心酔できるなんてうらやましいです
2011/02/24[Thu] 09:07:33
:EDIT:
多分
マリー・アントニオ
計量のシーンだけ更に絞り込んだのではないかと思います。あのシーンだけビッグバン級でした(驚)
子どもの頃、どれほど「あしたのジョー」が好きだったかは言葉に現せないくらいです。メッセージの表現がちょっと極端な作品だけど、それだけ非日常で楽しかったです。
2011/02/24[Thu] 22:27:33
:EDIT:
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