マリー・アントニオの日記へようこそ…今日の気分を、好きな薔薇の花の色にたとえて日記に綴っています。現実には存在しない色もありますがそこはご愛嬌?
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マリー・アントニオ
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非公開
自己紹介:
生年月日:1967年
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★日常、趣味、その他について感じたことをとりとめもなく綴っています。
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<葉子の出自の大胆な変更>

この作品を通して一番驚いたのが、葉子の出自を変更したこと。

子どもの頃に原作で読んだ時、葉子はナゼかジョーに関わろうと一生懸命だが、その性格については、財閥という環境が感情を表に現すことを良しとしないのかと思っていた。
しかし、大人になってから読み返した葉子は、まるでサイコパスではないかと思うほど、薄気味悪いくらいに人間味に欠ける。

原作前半、つまり力石の死までのこの不気味な特質のハイライトは、減量に耐え切れなくなった力石に白湯を渡したシーン。
名シーンとされているが、普通の感覚を持った女性なら、あんな風に前面に出て行ったら、単なるナルシストや不純な動機の人間ならいざ知らず、力石のようなタイプは決定的に追い詰めてしまうくらいのことは想像に難くないはずだ。

そして暴走はとどまるところを知らず、滝川修平の使い捨て~一度はドランカーの疑惑を持ったジョーに、理由はともあれわざわざハリマオ戦を組んだところで頂点を迎える。

葉子があそこまでジョーに執着した理由について、原作で葉子自らが最後の最後、どうにもならなくなって思わず告白した通り、ジョーへの愛からだという解釈が原作に忠実な基本的なところだと思われる。

しかし、金の力に物をいわせて選手を呼び寄せては踏み台・使い捨てにし、罪悪感や良心の呵責を感じず(力石の死では感じているようだが)、愛する相手をムチ打って破滅へと追い立てる女性が、果たして正常な神経の持ち主だろうか。
あの異常とも言える破壊的な執着の仕方はサイコパス疑惑とした方がしっくりくる。

それが、今回の作品ではこのありえない出自の変更によって全てが変わり、物語の深みが増し、作品の空気、トーンまでも変った。

葉子は血の通った人間であるとして描かれ、出自のコンプレックスからジョーの存在と生き方を無視できずに執着し、原作で再三出てくる試合会場から逃げ出す意味不明なシーン(おそらく女性は残酷シーンに弱いという幻想)までも、葉子の内面的成長に絡めて意義深く生まれ変わった。

等身大の、実在の人物かと見まごうほどの存在感をもって、主要人物の一人として遜色なく観客に生きる意味を問いかける。
更に、この出自の変更によって、力石の収監理由と葉子の力石に対する愛情にも無理なく感情移入できるようになった。

まるで、1個のドミノを倒して次々と倒れていき、無地の面に模様が現れるのを上から見ているようだ。
絶対的と思い込んでいた、ただ1つの盲点を裏返しただけで、これほどの波及効果があるとは驚嘆せざるを得ない。
よくこんなアイディアを思いついたものだ。

葉子役の香里奈は、モデル出身でいくつかTVドラマに出ているという。
昨年、大友康平見たさに「フリーター、家を買う」を観たが、その中での建設現場のバリキャリの印象を重ねて見てしまった。

葉子としてはもう少し屈折した暗い雰囲気と傲慢なお嬢様の迫力が欲しいところだが、才色兼備という設定には合っている。
昭和テイストの衣装や周囲の役者に助けられ、そこそこ良かったように思う。

(つづく)

りんどう色。

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カリナ
あっちゃん
今やってる美咲ナンバーワン…面白いです(笑)

そんな設定変更があったんですか見ないとわからないことですね

確かに、少し陰のあるほうがいいかも

しかし、映画って最近値下げとか言われてるけど、僕は二時間であれだけ楽しめるのは、1800円は安いと思いますよ

マリーさんも、映画一本でこれだけ書けるのですから
2011/02/21[Mon] 02:00:24 :EDIT:
そういえば
マリー・アントニオ
香里奈は今、教師の役で出ているんでしたっけ。理科の先生とか似合いそうですね。
葉子役はもう少し命令口調とかあればよかったかも。
これくらい観たいものだったら、喜んで観に行くのだけど、やっぱり2時間ずっと座っていなければならいのは辛いです(汗)
でも、大きいスクリーンで見ると迫力があって感動もひとしおですね。
2011/02/21[Mon] 23:50:11 :EDIT:
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